衛星リモートセンシングデータを用いた対流圏微量成分の動態解析の研究

 近年、環境問題が問題視されており、特に地球温暖化や大気汚染は重要視されています。地球温暖化や大気汚染などの環境問題は、地球全体で監視する必要があります。
 本研究室では、衛星観測から得られた対流圏汚染物質を解析することにより、地球の環境問題解決に貢献したいと考えています。

地球温暖化

 近年、人間活動によって温室効果ガスが大量に大気中に排出されるようになり、その結果、地表面付近の気温が徐々に上昇しています。地球温暖化により、世界中の多くの土地が水没して失われるほか、集中豪雨や干ばつなどの異常気象の頻発・農業への悪影響による食糧危機、マラリアなどの伝染病の流行など、重大な影響が予想されています。
 そこで、本研究室では温室効果ガスである、メタンと対流圏オゾンの解析を行っています。

メタン(CH4)

(左図)2004年8月のメタンの世界分布
(右図)メタンの発生源

水田や家畜からの放出が盛んな南アジア域にメタンの高濃度域が見られる。

影響:
  • 1分子あたり二酸化炭素の約20倍の温室効果を持つ.
  • 産業革命から急激に増加
もっと詳しく >>

対流圏オゾン(O3)

(左図)SAMOAの1999年1月22日のオゾンの高度分布
(右図)1996年6月の対流圏オゾンの世界分布

人間活動が盛んな北半球中緯度に高濃度域が見られる。

発生源:
  • NOx,COなどのオゾン前駆物質から生成
  • 成層圏オゾンからの降下
影響:
  • 光化学スモッグの主な原因
  • 有害な大気汚染物質
  • 温室効果ガスの一種
もっと詳しく >>>
ページの先頭へ

大気汚染

 近年、東アジア域の急速な経済成長と共に、大気汚染物質の排出量も増えています。特に、日本はアジア大陸の風下に位置しているため、アジア大陸からの大気汚染物質の流入は重要な問題となってきています。
 そこで本研究室では、大気汚染物質の窒素酸化物である二酸化窒素と、様々な大気微量成分の濃度をコントロールしている一酸化炭素の解析を行っています。なお、二酸化窒素と一酸化炭素は、ともにオゾンの生成に深く関わっており(オゾン前駆体)、温暖化促進物質でもあります。

二酸化窒素(NO2)

日本で光化学スモッグが発生した2007年5月8日のNO2の分布

中国沿岸部や日本海、西日本にNO2の高濃度域が見られる。

発生源:
  • 人間活動によるもの(約2/3の放出量)
    化石燃料の燃焼、バイオマスバーニング
  • 自然起源のもの
    雷放電、森林火災、土壌
影響:
  • 光化学スモッグや酸性雨の原因
  • 対流圏オゾンの生成
  • 対流圏オゾン生成を通した温暖化の促進

もっと詳しく >>

一酸化炭素(CO)

平均的な2月の対流圏COの世界分布

工業活動が活発な北半球やバイオマスバーニングが盛んな北アフリカにCOの高濃度域が見られる。

発生源
  • 人間活動によるもの
    化石燃料の燃焼、バイオマスバーニング
  • 自然から
    メタンなどの酸化、海や植物から
影響:
  • 様々な大気微量成分の濃度をコントロール
  • 対流圏オゾン生成を通した温暖化の促進
もっと詳しく ->>
ページの先頭へ

研究ツールの開発

本研究室では解析を助けるためのツールとして、流跡線解析ツール・可視化ツールの開発を行っています。

流跡線解析ツール SPIRAL

流跡線解析とは?:

ある地点・ある時間の空気塊がどこから来たか、どこへ行くのかを気象データをもとに追跡する手法。

流跡線をみる

流跡線解析ツールSPIRALで計算した、ある時間の日本上空にある空気塊が通ってきた経路を青い線で示している。

もっと詳しく >>

可視化ツール EMERALD

可視化とは? :

数値データなど目で見て理解することの困難なものを、理解しやすいように視覚化して表示する手法のこと。

EMERALD マップ

SPIRALで計算した流跡線の解析結果を黒線、対流圏オゾン量をカラーで視覚化している。

もっと詳しく >>
ページの先頭へ