2025年 サイエンスオープンラボ 環境科学コース

奈良女の池の水ぜんぶ抜く大作戦!

MASSAGE



水抜き隊とは



































図1:構内S棟裏の池の平面図と水質調査を行った地点(A1-C)(瀬戸先生の提供)



 サイエンス・オープンラボ(SOL)の授業の一環として瀬戸繭美先生(現・東京農工大学)と遊佐陽一先生の指導のもと、佐保川のホタルの保全活動の一環として管理されている構内S棟裏の池で水質浄化活動を行っています!




・水質調査の目的

 現状の水質の調査を行う。



・方法

 2025年5月10日、16日、6月12日にA1、A3、B、Cの4地点で調査を行った。各地点ごとに水面から深さ5cmと水底の2箇所でのpH、溶存酸素(DO)、酸化還元電位(ORP)、電気伝導率(EC)、水温、水深を測定した。

・結果と考察

水生生物が生きていくためには、溶存酸素が2mg/L以上必要であるとされている。しかし、今回の測定では、池の水の中の溶存酸素がこの値を下回っており、 水生生物が生存するには厳しい環境であることを確認した。
現状の水質環境では多様な生物が生存するには適さないため、改善が必要である。





・水抜きの目的

池の底にたまった泥や落ち葉には有機物が多く含まれており、分解されるときに酸素を消費する。その結果、池の水の酸素が少なくなり、水の中で暮らす生き物に悪影響を及ぼしたり、温室効果ガスのメタンが発生しやすくなったりする。こうした問題を防ぐため、環境の改善を目的としてこの作業を行った。

・方法

2025年6月27日、28日に、本学の施設・企画課から排水ポンプ(自立工機AP400)をお借りし、ホースを排水溝に設置して池の水を汲み出した。

・結果

予備実験で、1分間に約20リットルの水が排水できることを確認した。8時間の稼働で池全体の水10,000リットルのうち、約9,600リットルの水を排水した。 水を抜いた後、池の底に体積していた落ち葉や泥を取り除く作業を行った。

































写真1:池の水を抜いているときの写真(瀬戸先生撮影)