つくば見学レポート

学部4回生:井上梓,大田彩乃,竹岡遼

2012年9月27日に、学部3回生と4回生の7人で茨城県つくば市の気象研究所と高層気象台を、翌28日にはJAXAと国立環境研究所を見学させて頂きました。今回の見学ツアーの目的は、大学の外に出て外部の研究者の方々から貴重なお話を聞かせて頂き見識を広めること、そして我々が普段解析しているデータがどのような測器で測られているのかを学ぶためです。

気象研究所の見学

 気象研究所は、気象庁の一組織として、気象業務の技術に関する研究を行うことを任務とし、気象・気候・地震火山・海洋などの地球科学を総合的に研究している国立試験研究機関です。(気象研究所HPより)
 気象研究所では、研究所の方に講義を行って頂き、また観測に使われている測器、降水や風の挙動を観測できる気象レーダーや、雲・エアロゾル等の観測を行っているライダーを見せて頂くことができました。測器の仕組みや、研究所でどのような観測を行っているのか、観測した結果がどのように活かされているのかなどを聞くことができました。天気予報や地震予測など、私たちの生活に密接に関わっている情報がどう処理されているのか知ることができ、とても勉強になりました。炭素循環に関して研究している方に行っていただいた講義では、炭素が地球上でどのように循環しているのか知ることは地球温暖化を考える上でとても重要だということが分かりました。研究することが、私たちの世界や日常にどう関係していくのか、どんな意味があるのか、それを私たちの研究でもしっかり意識したいと感じました。


高層気象台の見学

 高層気象台は、気象庁の一組織であり、主に高層の大気の動きを観測しています。雨や風、雪や雷などの天気現象は、遥か上空にまで広がっている大気の層の中で起こっており、このような天気の変化は高層の大気の動きに支配されています。高層気象台では、地上から1.5kmくらいまでの下層気象観測には係留気球を、35kmくらいまでの高層気象観測にはラジオゾンデを用い、更に上の超高層は地上に設置した光学機器などにより、大気オゾン量・放射量(日射の強さなど)・有害紫外線量を観測し、正確な天気予報や気候変動・地球環境の監視等に寄与しています。(高層気象台HPより)
 高層気象台では、職員の方の講義と、測器の見学をさせて頂きました。講義では全天日射量や散乱日射、赤外放射の観測に関するお話を聞き、日射計と放射計、オゾン量を観測しているドブソン分光光度計を見学することができました。私たちの研究にも深く関係している測器を実際に目で見ること、研究者の方達の貴重なお話を聞くことができ、とてもためになりました。普段私たちが扱っているデータも、このように多くの測器で研究者の方が観測してきた結果得られているのだということを改めて実感しました。今回の見学で得られた知識と貴重な体験を、今後の研究活動に活かしていきたいと感じます。


宇宙航空研究開発機構 (JAXA)の見学

 2003年10月、宇宙科学研究所 (ISAS)、航空宇宙技術研究所 (NAL)、宇宙開発事業団 (NASDA)が1つになり、宇宙航空分野の基礎研究から開発・利用に至まで一貫して行うことの出来る機関である。JAXAでは、天文観測・惑星探査など地球と宇宙を結ぶ重要な輸送手段としてロケットを打ち上げている。また、国民生活に欠かせない通信、測位、地球観測などの実用衛星を運用するとともに、将来の宇宙開発を推進するための技術試験衛星を打ち上げ、さらに地球や宇宙の起源などを探求するための科学衛星や探査機なども開発、運営している。他、有人宇宙開発のために宇宙飛行士の訓練が行われている。(JAXA HPより)
 宇宙飛行士になるための訓練方法や宇宙での生活について教えて頂き、また様々な衛星を見学させて頂きました。さらに、地球観測研究センター「EORC」内を見学させて頂きました。衛星から情報を得るために多くの人たちが関わり、その情報が多くの人たちへ役立っていることを学ぶことができました。ますます衛星や地球観測に興味を持つことができ、これからの研究活動に一層励みたいと思いました。


国立環境研究所の見学

 環境行政の科学的・技術的基盤を支え、幅広い環境研究に学際的かつ総合的に取り組む研究所として、1974年に国立公害研究所として発足した。2011年4月1日より研究体制・組織の強化が行われ、具体的には長期に継続的に研究を進めるべき研究分野を特定し、その研究を担う八つの研究センターを整備した。また、東日本大震災の災害からの復興と被災地の環境創造に貢献するために、「災害環境の俯瞰」をまとめ、分野横断型の二つの研究グループが設備されている。(環境研究所HPより)
 国立環境研究所では、大気中の微量成分観測や研究等のお話を聞かせて頂きました。また、ライダーや加速器質量分析装置 (AMS)等の貴重な測器や装置を見学させて頂きました。環境問題への取り組みに、多くの方々が関わっていることを改めて認識しました。今回学んだことと経験したことを、これからの研究活動に活かしていきたいと思います。












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