国際研究集会での研究発表

大学院博士前期課程・情報科学専攻 織田奈津季

私は、8th European Conference on Mathematical and Theoretical Biology (ECMTB) 2011(2011年6月26日から7月2日)に参加し、研究発表を行いました。今回の渡航は、情報科学専攻の資金援助を受けて実現したものです。

ECMTBは数理生物学や理論生物学の近年の進歩について議論することを目的として3年おきに開催される国際会議です。8回目となる今回は、ポーランド南部の歴史都市クラクフにあるヤギェウォ大学 (Jagiellonian University) が会場となり、全世界から約1000名という多数の研究者が集まり、広い範囲にわたる研究発表や議論を行いました。

私は会議初日に、"Individual-based modeling of spatial population dynamics"という題目でポスター発表を行いました。この研究は、4回生時の情報科学科卒業研究を発展させた内容であり、個体ベースモデルを用いて各個体の出生・死亡・移動のアルゴリズムを機械論的に記述し、計算機シミュレーションの結果を説明する定量的モデルを導くことで、より生物学的な視点に立脚した集団レベルの個体群動態モデルを記述することを試みる研究です。

国際会議への参加と英語による研究発表は初めての経験でした。特に、英語での質疑応答に対する不安は相当なものでした。しかし、渡航前に十分に練習をしておいたことと、ポスター発表ではその場で図を書いたり筆談したり、手振り身振りを用いて時間をかけて聴衆の方の質問に答えることができたので、お互い納得のいく議論ができました。今回の英語を用いたポスター発表と質疑応答は、大変貴重な経験となりました。また、自身の発表だけでなく、他の研究者の方々の発表を聴講させていただきました。特に私と同じ個体ベースモデルによる研究発表の聴講は非常に有意義なものとなりました。

今回の経験から、研究に対する知見、語学力やコミュニケーションの大切さについて体感することができました。今回の学会で得た経験や頂いた意見を今後の研究に活かしていこうと思います。

 

ECMTB 2011